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Babel [2時間でできる旅]

バベル~1.JPG

早く安売りコーナーに回って来いと楽しみにしていたのですが、いつまでたっても来ないのでレンタルしてきました。
(※ いつもどおりの古い映画の紹介でございます。ごめんなさい。)

2006年の米映画。
監督は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。・・・私、この方のファンであります。
菊池凛子さんのアカデミー賞ノミネートが話題になりましたから、観た方も多いと思います。

さて、感想ですが、かなり怖い映画でした。
でも、オカルトとか、スリラーとか、サスペンスの怖さではなくて、
ほとんど気にしなくていいほどの小さな選択肢の一方が、どんどん悪い方へ向い、
いつの間にか後戻りができない、最悪の状況に嵌り込んでいるような状態に、
明日、私や家族がなっているかも知れない、という恐ろしさです。



生きて行くことは、歩んでいる道にある無数の分岐点のひとつずつに、
出逢う度にどちらかを選び、正しいと思う方に進んでいる、といったイメージだったのですが、
実は、細い一本の紐の上を、奇跡的なバランスで、かろうじて落ちずにいる、みたいな方が近いと思い始めました。


(ストーリーはそんなに重要でもなさそうなので省略します。)
映画の最後に字幕が流れます。

我が子供たち
マリア=エラディアとエリセオに
最も暗い夜の 最も輝ける光


彼は子どもを亡くしているのですが、別の映画の作成にあたって次のようなコメントを残しています。

人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。
失うことでなりたかった自分になるのではなく、本当の自分になれるのだ。


さて、「バベル」とは、旧約聖書の創世記第11章に出てくる「バベルの塔」を建てようとした街のことであり、
その意味するところは、
「言葉が通じない」 あるいは 「心が通じない」 ことに端を発する悲劇であることに違いはないのですが、
「輝ける光」を見つけられないと、ちょっと悲しくて寂しい物語であります。

私が映画を、面白いかどうか判断する基準のひとつは、緊張した余韻があるかどうかなのですが、
その意味ではかなりな高得点の映画でありました。
保存版を入手したいのはもちろんなのですが、TV放映の際はノーカットで放映されることを期待します。
音楽もかなり美しいので、長いのですが最初の1/3でも聴いてもらえると嬉しいです。


タグ:BABEL 映画
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コメント 6

Pace

私も観ました。
どうなっちゃうんだろう…という緊張感で
目が離せなくなり、引き込まれていった
記憶があります。
by Pace (2010-02-02 00:42) 

gyaro

バベルの塔って、小学校の時にアニメで見せられた記憶があります。
なぜか教会にも通ってました^^; 今じゃ考えられないですけど。。。
なので、この作品も見てみたいっす♪

雪は深夜の西新宿を撮ってきました^^
でもアップできるかは微妙な感じの写真ばかりです(笑)
by gyaro (2010-02-02 04:25) 

mee

これは私も興味がありますね☆
恐怖が違う感、あると思います。
by mee (2010-02-02 15:25) 

Gypsy

これは家で観たんですけど、面白くはなかったんですよね。
でも妙にひっかかる映画で、場面がいくつもはっきりと頭に残ってますが、
2回として観る事は多分無いです。
でも、観てない方には一度観て欲しいかも。
関係ないことでもどこかで一本に繋がってる不思議さと、
それを避けられないで生きていく運命と、
多分これから生きてく上での価値観が変わると思いますね。
by Gypsy (2010-02-04 19:26) 

sak

見たくなりました

by sak (2010-02-08 09:52) 

kazn

●Paceさん こんばんは
私はかなりのお気に入りです。
モロッコの荒涼とした景色と、トーキョーの心の荒涼が悲しかったです。

●gyaroさん こんばんは
CDならジャケ買いですが、このポスターがメチャお気に入りです。
今にも飛び立ちそうです。

●meeさん こんばんは
モロッコもメキシコも遠く離れた地ですが、
感じた恐怖はニチジョーでした。

●Gypsyさん こんばんは
言葉が、、、心が通わない怖さを感じさせられます。

●sakさん こんばんは
暇つぶしにはかなりの高得点ですが、ヒマ、、ないでしょうね。
by kazn (2010-02-08 21:55) 

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