1971年のELP [音楽]
Tarkus
1970年8月23日、ELPはプリマス・ギルド・ホールで記録上のデビュー・ステージに立ちました。
が、その6日後の8月29日「第3回ワイト島ポップ・フェスティバル」を実質的なステージ・デビューとする説もあります。
このすぐ後、9月18日に、競演したジミ・ヘンドリックスが死亡した為、
後日、このフェスティバル自体がウッドストックと同様伝説的な意味合いを持ったためです。
このステージは、観客には好評でしたが、評論家は概ね否定的で、
DJのジョン・ピールは、このステージを「才能と電気のムダ使い」と酷評しています。
この年11月20日にデビュー・アルバム『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』がリリースされ、
翌1971年5月(アメリカでは6月)、セカンド・アルバムの『タルカス』を発表しました。
この作品は、音楽作品としての評価も高いのですが、
同時にELPが本格的にシンセサイザーを活用し始めた記念碑的作品であり、
プログレッシブ・ロックを代表する名盤とされています。
ライナーノーツでは、キースが「Tarkusとは帰宅途中に突然閃いた単語であり、特に意味は無く、辞書を調べても分からなかった」と語っています。
アルマジロのような体に戦車が合体しているという、非常にまんがチックなイラストですが、内容は大真面目。
火山の中から現れたタルカスは、地上のすべてを破壊し尽くし、海に帰っていくというストーリーで、20分を超える壮大な組曲になっています。
今から読んでみても「なんのこっちゃ」的構成で、曲よりもジャケットが印象的で買ったようなものです。
ジャケ買いのハシリの1枚で、個人的には名盤の仲間入りとはなりませんでした。
私の好みとは裏腹に、この年、メロディー・メーカー誌恒例人気投票で前年のレッド・ツェッペリンに代わって首位になり、『タルカス』もアルバム部門で一位を獲得しました。
11月には、海賊版対策として、
不本意な形のままでリリースされた『展覧会の絵』が大ヒットとなりましたが、
このアルバムの最後に収録されたチャイコフスキーの『くるみ割り人形』は、
ライブの熱気が伝わるお気に入りの1曲となりました。
(この曲は"crack"を"rock"ともじり「ナットロッカー」としましたが、長いことこれが正式曲名だと信じていました。)
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